痛快!フラメンコ・ギタリストのアレンジ力、底力を見せつけたギターデュオ作品!
フラメンコ・ギタリスト、ペドロ・シエラ(55歳)は演奏活動に、録音に、レコードレーベル経営に八面六臂の活躍をしているが、このたびフランス人クラシック・ギタリストのアーノード・デュモンド(72歳)とのデュオ作品を発表した。「クラシック×フラメンコ」ということで、ヘンデルの「サラバンド」、「アランフェス」、「はかなき人生」、「アストリアス」、ピアソラの「リベルタンゴ」など、主にフラメンコ以外の一般的名曲を取り上げているが、これが思わぬ発見に繋がった。クラシック・ギタリストは一般的に原曲に忠実に弾くことになるが、各曲はギターアレンジしなければならず、それをペドロ・シエラが結果的に行う形になった。そこに見えるのは、フラメンコ・ギタリストの多様なアレンジ力、底力だ。アランフェス第2楽章アダージョのペドロ・シエラのメロディフェイク、アレンジが素晴らしい。さらに第2楽章をブレリアに乗せているが、たいへんドラマチックだ。改めてフラメンコ・ギタリストの適応力、アレンジの力を感じられるアルバムである。全11曲。
Sarabande/Jardines Del Sur/Aranjuez/Aranjuez Por Bulerías/Prelude N° 22/La Vida Breve/Les oiseaux/ASTURIAS/10 de Noviembre / Libertango/Zapateado/ Valsa / My Lady Boleyn's Complaint